第131章 顔を立てない

雑談を重ねるうちに、藤原和樹と岡山政宏の話題は、いつの間にか工藤達央へと移っていた。

「酒楽庵の近辺には、もう逃げ道のない包囲網を張ってあります。あいつが来さえすれば――帰れると思うな」

岡山政宏の顔には、どす黒い陰が落ちている。

藤原和樹は頷いた。

「工藤を始末すれば、天龍グループは必ず混乱する。加藤、渡辺、和泉の三家も、支えを失って瓦解するだろう」

「そこを一気に叩く。まとめて潰せる」

「和樹様、さすがです」

岡山政宏はおべっかを口にしたあと、眉間に皺を寄せた。

「ただ、工藤さんは普通の相手じゃありません。相当ずる賢い」

「危険を嗅ぎ取って、酒楽庵に来ない可能性がある。...

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